日系サプライヤー苦悩続く

 部品大国の日本にとって、米国による“ファーウェイ切り”は対岸の火事ではない。日本企業はファーウェイの主要サプライヤーとして「ファーウェイ経済圏」に完全に組み込まれているからだ。

 昨年11月、ファーウェイは協力企業を表彰する「グローバルコアサプライヤー大会」を開催。中国現地報道によると、その場で主要サプライヤー92社のリストを明らかにした。それには、富士通、村田製作所、ソニー、住友電気工業など、実に11社もの日本企業が含まれている。そして、「基本的に、表彰企業は取引額が大きい企業」(ファーウェイ広報)である。

 とりわけ、ファーウェイの「世界有数のスマホメーカー」という側面に翻弄されそうな企業の代表格がソニーだ。

 ソニーはスマホのカメラ部分に使われる「イメージセンサー」で世界シェアトップを誇る(18年度、金額ベースで51%)。特に中高価格帯のスマホの多くにはメーカーを問わずソニー製が搭載されており、ファーウェイのスマホに搭載されているのも自然なことだ。

 ソニー自身のモバイル事業は、米アップルや韓国サムスン電子に追いやられて振るわないが、技術力に裏打ちされたイメージセンサーを持つことで、スマホ業界で“おいしい思い”をしてきた形だ。実際に、イメージセンサー事業は、ソニーの2期連続過去最高益をけん引した稼ぎ頭の一つとなっている。ファーウェイへの納入が減少すれば影響は大きいはずだ。

「米中共に重要な市場。取引先についてはコメントしない」。吉田憲一郎・ソニー社長兼CEO(最高経営責任者)は5月21日、経営方針説明会で米国のファーウェイ切りに関する質問に対し、あいまいな回答に終始した。こう言葉を濁したこと自体が、事態の深刻さを物語っている。