新入社員との
関わり方を見直す

“上司”といっても、日本企業の場合、プレイングマネジャーであることがほとんどです。上司は自分の仕事を抱えつつ、新入社員をはじめとする部下の育成もしなければならないのが現実です。

 産業能率大学が2017年に実施した「第4回上場企業の課長に関する実態調査」アンケートによれば99.2%の管理職がプレイングマネジャーなのです。

 仕事が忙しくなり、上司に余裕がなくなると職場は殺気立ち、上司と部下との間のコミュニケーションの量が激減します。

・朝のあいさつ以外会話がない
・連絡事項はメールやチャットですませる
・部下が相談したくても、上司が忙しそうで相談できない

 こんな状態になってしまうのです。そのせいで、上司と部下の間に溝ができ、シンプルな業務連絡ですら伝わりにくくなっていきます。しかも、上司側に余裕がなくイライラしていることが多いため、部下が勝手に仕事を進めてミスをすると、不機嫌になったり、叱責したりします。すると、新入社員は萎縮し、自分で考えて仕事を進める気がなくなってしまう。つまり、新入社員のモチベーションが下がってしまうのです。

 さらに、新入社員とのコミュニケーションの量が減ると、上司は新入社員のできること、できないことを把握できなくなります。そのせいで、適切な指導ができなくなり新入社員のスキルが一向に上がらないのです。

 部下のできないことまで指示してやらせようとするわけですから、指示通りに動けないのは当たり前です。指示通り動かない部下は、動かないのではなく、動けないのです。それに気づかない上司は「なんでこいつは仕事ができないんだ」とイライラし、新入社員にきつくあたります。すると、新入社員のモチベーションはますます下がり……という負のスパイラルに陥ってしまうのです。

 指示待ち部下や、指示通りに動けない部下はこうやって生まれるのです。

 まだ泳げない新入社員に、「プールに入れば自然と体が浮くから、まずは飛び込め」という指示だけ出しても泳げるようにならないのは、新入社員のモチベーションや能力の問題ではありません。ましてや、上司であるあなたのマネジメント能力の問題でもないのです。