しかも、シントトロイデンは2017年秋から日本のDMMグループの傘下に入り、日本人がCEOを務めている関係で交渉がしやすい関係にあった。実質的な戦力外になっている柴崎の場合は、コパ・アメリカでアピールすることで移籍につながれば、とヘタフェ側が考えている可能性も大きい。

 アジアカップに招集されていない海外組との交渉も、JFAの予想に反して難航した。たとえばDF昌子源(トゥールーズFC)やMF香川真司(ベシクタシュJK)は、キリンチャレンジカップには招集されたものの、コパ・アメリカのメンバーには名前を連ねていない。

 開幕直前のけがでアジアカップを辞退したMF中島翔哉(アル・ドゥハイルSC)は、プレーする舞台のカタールがシーズンオフとなる。なおかつカタール代表がコパ・アメリカに招待出場することもあり、JFAとの交渉がスムーズに進んだ例外的なケースと見ていい。

もしJ1を中断すれば
不測の事態に対応できない状況へ

 コパ・アメリカの期間中になぜJ1を中断しなかったのか、という疑問も少なくない。ワールドカップ開催時のような中断期間を設ければ、Jクラブ側としても快く代表選手を送り出せる――理論は理解できるが、実際に中断される可能性はゼロに等しかった。

 もしコパ・アメリカのために中断するならば、決勝戦が行われる日本時間7月8日までの間に行われる4節分を順延する必要がある。その場合は水曜日開催が候補にあがるが、ACLやYBCルヴァンカップ、天皇杯のカップ戦が水曜日に入ってくるため選択肢は限られてくる。

 コパ・アメリカより前へずらせばよかった、という考え方もある。しかし、ワールドカップイヤーに代表される特別な年を除いて、選手たちに過度の負担を強いる週2度のリーグ戦開催をJリーグは極力避けてきた。また、前半戦でもカップ戦は開催されるため、日程的にも余裕がない。

 そして近年では、地球全体で起こりつつある気候変動も考慮しなければいけない。昨シーズンまでのJリーグで、台風や大雨、強風、雷、積雪などに見舞われて中止および延期されたリーグ戦は全カテゴリーで42試合。そのうち約38%に当たる16試合は、昨シーズンに発生したものだった。