重複や不要不急の業務実施が
生産性を低下させる

 私が行っている演習では、生産性の高い人のタスクの振り分け方をモデルにして、「Under the table」「Waiting」「Action」の3区分ごとに8つ、計24のタスク内容を記したカードを用意する。カードにはタスク内容のみが書いてあり、区分は隠してある。このカードを、3区分に振り分けてもらうのだ。

 すると、ほとんどのビジネスパーソンが、「Action」に十数枚振り分けて、「Waiting」や「Under the table」には数枚しか振り分けない。最近実施した経営者35人の演習結果を平均すると、「Action」13.4枚、「Waiting」5.3枚、「Under the table」5.3枚だった。中には、「Action」に19枚を振り分けた人もいた。

 もちろん、個人差はあるから、自分は8つのタスクだけではなく、10はできるだろう、という人もいる。

 しかし、仕事が滞り気味なのに、「Action」に多くのタスクを振り分けてしまう人は、「Waiting」すべき業務を「Action」に入れてしまったり、「Under the table」の業務を「Action」に入れてしまっているはず。そのことが、自分のみならず、チームとしての生産性を低下させてしまうのだ。

 他の人との重複を回避したり、今日やるべきことを先に完了させているかどうかの確度を上げるためには、振り分ける順番を変えるだけでいい。多くの人は、無意識のうちに「Action」、「Waiting」、「Under the table」の順にタスクを選んでいく。しかし、これを「Under the table」、「Waiting」、「Action」の順番に変えるのだ。

 このように説明しても、無意識のうちに、それとは逆に、「Action」、「Waiting」、「Under the table」の順にタスクを選んでいく人が多い。それだけ、仕事は自分でやらなければと思い込んでいる人が多いのだろう。

 まず、抱えているタスクを付箋に書き出し、今日やらなくてもよい「Under the table」のタスクをはじく。次に、タスクの中から、他の人の実施や依頼結果を待つ「Waiting」を選ぶ。残ったタスクが、自らが今日取り組むべき「Action」のタスクなのだ。

 この振り分けは、10分足らずで実施できる。各自がそれを実施した上でチームリーダーは、「Waiting」や「Under the table」に齟齬はないか調整をすればよい。

 実に簡単で時間もかからないが、徹夜続きのコンサルタントがこの方式を導入して一気に残業削減につながり、生産性が上がった手法で、定期的に公開セミナーも実施している。試してみていただければ幸いだ。