米ゼネラル・エレクトリック製の洗濯機
米中貿易戦争の中で「メイド・イン・アメリカ」をうたう広告が貼られた米ゼネラル・エレクトリック製の洗濯機 Photo:AP/アフロ

 米中貿易戦争の激化により、米トランプ政権は5月10日に「リスト3」と呼ばれる中国からの輸入品目の関税を25%へ引き上げた。同リストの4分の1は消費財なので、それらの米国内での販売価格に関税が転嫁されれば、米消費者は痛みを被ることになる。

 この「痛み」を推測する上で参考になるのが、昨年2月のトランプ政権による米国産洗濯機を守るための関税引き上げだ。その影響について、米シカゴ大学と米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストによる共同論文や、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事(2019年4月30日付)を参考に振り返ろう。

 セーフガード(緊急輸入制限措置)発動に至る経緯は次の通り。

 米最大手の白物家電メーカー、ワールプールは06年にライバルの米メイタグを買収、両ブランドの同国での洗濯機シェアは合計で5割を大きく超えた。しかしその後、急成長してきた韓国メーカーのサムスン電子とLG電子が同社にとって大きな脅威となる(日本メーカーは米国の白物家電市場で存在感がほとんどない)。