ファーウェイ米制裁下にあるファーウェイを支えているものとは Photo:123RF

先鋭化する米国のファーウェイ制裁
会った関係者も「影響は限定的」と強気姿勢

 米国のトランプ政権は5月16日、中国通信機械大手のファーウェイに対して、米国製品の輸出を事実上禁じる規制を発効した。これまでも、米国政府はファーウェイ製の情報通信機器を念頭に各国政府に調達の自主規制を求めてきた。米国によるファーウェイ制裁が一段と先鋭化したといえよう。

 これを受け、企業においても「脱ファーウェイ」の動きが広がっている。たとえば、グーグルはファーウェイ製スマートフォンに対して、アンドロイドOSなどのサービス提供を一部停止すると報じられた。アマゾンは自社サイトで、ファーウェイ製スマートフォンの販売を停止するという。日本でも、ドコモ、au、ソフトバンクが、そろって販売を見直す方針だ。

 もっとも、このような逆風のなか、ファーウェイは強気の姿勢を崩していない。筆者は5月23日にファーウェイを訪問した。先方から事業展開や事例紹介を伺ったうえで、トランプ政権によるファーウェイ制裁の影響について質問したところ、戦略部門の幹部は、短期でみても10年単位でみても、影響は限定的と回答した。

 また、同社の創業者である任正非CEOは、同月21日のテレビインタビューで、会社の最も危うい時期はすでに過ぎ去ったと述べた。任氏は、前述のような外部環境の悪化よりも、豊かになった社員が業務環境の厳しい地域での勤務を嫌がるなど、内部の問題を重視していた。一方、米国による制裁によって、社内が奮起している点を評価している。

 果たして、こうした発言はファーウェイの強がりを反映しただけのものだろうか。筆者は次の3点を踏まえ、これらは根拠のある自信とみている。