このような理由から、私は、採用説明会などで「今は終身雇用制度がありますが、近い将来、『40年先まで君たち全員を必ず雇用し続けます』と断言できない時代になりますよ」と伝えています。

 トヨタの豊田章男社長が終身雇用の継続は難しいと発言され話題となりましたが、官民問わず、これから社会に出る方は、これまでと少し違う視点と覚悟を持って働き始めることが必要です。

終身雇用崩壊時代に「公務員」がやるべきこと

 では、終身雇用制度が崩壊する時代に、これから公務員になる人はどのような意識を持ち、どのように行動すべきなのでしょうか。

 答えは「終身雇用が崩壊しても役所が離さない公務員となること」「公務員をやめても食べていける公務員となること」です。こういう公務員に共通す能力は、大きく「始動力(リーダーシップ)」と「協創の力」の2つに収斂されます。

 自治体業務の中で、法令の執行事務や国からの依頼を大過なくこなす「減点主義」の業務が多かった時代は終わり、自治体が地域課題を地域のリソースを活用して解決する「加点主義」の業務が確実に増えていきます。したがって、これからの公務員は、座して衰退を待つのではなく、変化を起こし、地域活性化への挑戦を続けていく「義務」があります。そのように挑戦できる職員だけが、終身雇用制度が崩壊した後も組織や地域から求められる人材となるのです。これが「始動力」です。

「協創の力」は、生駒市が提唱する「自治体3.0」のまちづくりと大いに関係します。

 これからの行政職員、特に市町村職員は、「まちの営業マン」となり、市民を単なる「お客様」にするのではなく、場合によっては市民にも汗をかいてもらい、共にまちづくりを楽しめる職員となることが不可欠となってきます。市民や事業者の力を借りるべき業務を見極め、その担い手を発掘し、対話やワークショップなどを活用して信頼関係を築き、取り組みを具体化していく力が「協創の力」です。