米国で体感した大学スポーツの可能性

横浜DeNAベイスターズ初代球団社長の池田純氏
横浜DeNAベイスターズ初代球団社長の池田純氏

 私が大学スポーツの可能性に着目したのは、米国のプロスポーツ視察の一環でカリフォルニア州パサデナのローズボウル・スタジアムを訪れたときです。ローズボウルは米国カレッジ・フットボールのリーグ戦で、同スタジアムはその聖地として知られていますが、大勢の観客を集め、放映権料などで莫大なお金を稼ぐこのリーグの試合を見て、大学スポーツの可能性をまざまざと見せつけられました。

 そこで私の頭に浮かんだのは東京六大学野球のことでした。東京六大学野球は箱根駅伝と並んで日本で最も知名度が高い大学スポーツのイベントですが、ローズボウルの盛り上がりとは比べものになりませんし、ビジネスとして成功しているという話も聞いたことがありません。東京六大学野球のような人気コンテンツを事業化し、たくさんの人が集まるような仕組みをつくれば、日本でも大学スポーツの価値はもっと高まるのではないか、そのように考えたことを覚えています。

産業界から人材を多数招聘すべきだった

「スポーツ庁の参与になってほしい」──。鈴木長官から連絡があったのは、2017年の終わり頃でした。そのオファーを受諾して私が参与に就任したのは翌18年の1月ですが、実はその時点でユニバスの設立期日は19年3月1日に決まっていました。間に合わせるには、18年内に事業計画から資金計画、組織の見取り図といったものを完成させなければなりません。民間企業における新規事業の時間軸で考えても、まったく時間がないことが分かりましたが、その段階では私はユニバスに直接関わる立場にはありませんでしたので、「急がないと間に合わないのでは」と担当者にアラートを発するのみでした。