大学スポーツが世間を賑わせている。日本大と関西学院大のアメリカンフットボール定期戦で起こった、日本大側のラフプレーが大きな社会問題となり、監督が責任をとって辞任した。一方、至学館大レスリング部監督が日本レスリング協会からパワハラを認定されたにもかかわらず、同校で引き続き監督をつとめることになった。
日本大と関西学院大はアメフトの強豪校であり、絶対的な自信と誇りを持っている。至学館大の監督は多くの五輪メダリストを育ててきた。
大学スポーツで指導者のあり方が問われる出来事である。
大学にはそれぞれ得意とするスポーツ種目がある。いま、どの大学がどんな種目に強いのだろうか。
『大学ランキング 2019』(朝日新聞出版)から、2017年度大学選手権上位校を紹介しよう。競技人口が多くテレビで放映されるようなメジャーな種目から、競技人口は少ないが熱のこもった試合が展開されるマイナー種目まで、4回にわたって解説する。
野球(全日本大学野球選手権大会)では立教大が59年ぶりに日本一になった。前回の優勝が1958年。57年にも優勝しており、このときの主力メンバーには長嶋茂雄がいた。当時、立教大はスポーツ推薦制度が充実しており、野球以外の種目も強かった。しかし、同制度は1970年代までに廃止され、長い間、有望な選手は立教大に集まらなかった。
2008年、スポーツ推薦は「アスリート選抜入試」として復活する。同制度では甲子園で活躍した選手が次々と入学し、17年の大学日本一の原動力となった。現在3年生の投手、田中誠也さんは野球強豪校の大阪桐蔭高校出身である。