SNSをストレスのはけ口にする人

 SNSは好意的に見てくださる方もいれば、はなから悪意や敵意を持って見ている人もいて、すべての人が味方というわけではない。みんなが、TwitterやInstagramをプライベート空間のようにして自分の情報を公開していますが、僕はさんざん揚げ足をとられてきたので、常に、敵も泥棒もストーカーも、僕のSNSを見ているという意識でいます。そして、Twitterで批判したり、「返事しろ!」などと執拗に絡んでくる人にはいっさい関わらないようにしています。「交流」は、あくまでも自分と同じ価値観を持っている人との行為であって、批判的な人に対しては何も言いたくないんです。執拗に絡んできた人を知るために、その人が他にどんなことをツイートしているのかを見てみると、人種差別やヘイトスピーチなど、人の批判が多かったりする。そうした人と論争しても得るものは何もありませんし、SNSをストレスのはけ口にしている人がこんなにも多いんだと、現代に潜む闇に驚かされます。

 本来、SNSは国境を越え、人種を超え、世界中の人たちと繋がれる素晴らしいツールなのに、使い方次第で対立と憎悪を生むものになってしまっていることがとても悲しいですね。

(構成・文/荒垣信子)

※本稿は、インクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2019」の掲載記事を転載したものです。

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