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インターネット上での誹謗中傷に10年以上苦しんだスマイリーキクチ氏。被害経験者として、被害者も加害者を減らしたいと考えるが、ネット利用者が増えるほどトラブルが増えているのが現状だ。私たちはネット(SNS)とどう付き合っていけば良いのだろうか。現在発売中の『インクルージョン&ダイバーシティ マガジン Oriijin(オリイジン)』から転載する。

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ネットでの誹謗中傷はまだ終わっていない

スマイリーキクチスマイリーキクチ氏
1993年、お笑い芸人としてコンビ「ナイトシフト」を結成。1994年、コンビ解散後、一人で活動中。「凶悪事件の犯人のひとり」という風評被害を受け、インターネット上で10年以上の誹謗中傷を受けている。

 誹謗中傷を受け始めて約20年が経ちますが、「時効が成立したから出てきたんだろ?」とか「殺人犯がよくTwitterなんてやっているな」という中傷はまだ続いています。

 ネットでの中傷は、過去に書いた言葉でもログとして残っていれば現在進行形で書き続けているようなものなので、決して終わってはいないんですよね。いまでも、“犯人一覧”の中に僕の名前がコピペされて拡散され、それを目にした人が僕のことを殺人犯だと本気で信じ込み、殺害予告をしてきます。なので、未だに、自宅には警察の方が来て「今日、菊池さんの自宅周辺を見回りましたが、何も問題は起きていません」と書いた紙を郵便ポストに入れてくださるんです。

「スマイリーキクチは誹謗中傷事件で飯を食ってる」という人もいますし、実際にそのことがあったからお仕事をいただくこともありますが、皆さん、そうした裏側までは知らない。出演が決まっていた生放送があったのに、殺害予告を受けたことで直前に出演できなくなってしまったこともありました。