6月1日まで台湾・台北市で開かれた「台北国際電脳展(COMPUTEX・コンピューテックス台北)」。アジア最大級のIT(情報技術)見本市には、米中貿易戦争による事業環境の変化に一大商機を見いだす台湾企業の機敏な姿があった。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
「米中貿易戦争は激しくなっているが、コンピューテックスの出展企業は増えている」
コンピューテックス台北で主催団体の理事長を務める台湾EMS(電子機器の製造受託サービス会社)大手、和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢会長は、米中対立のさなかでありながら台湾の見本市が過去最高の賑わいを見せたことに胸を張った。会場の台湾勢は、米中問題に「一大商機」を見いだしていた。
米国企業の注文を中国勢から奪還するチャンス
台湾は、パソコン(PC)の関連部品やEMS(受託サービス会社)がサプライチェーンを構築する、世界のコンピュータ産業の集積地だ。毎年この時期に開催されるコンピューテックスは、米インテルや米マイクロソフトなど世界の名だたるIT企業が次世代のPCのトレンドを発信する場となっている。