僕は愚痴を言いたいと思ったら、まず、スマホのメール欄に書きます。より丁寧な言葉を使って、その中に誤字脱字がないか、句読点の位置はここでいいのかなどをしっかりチェックして、言葉の意味を理解しているかどうか、自信がなければ辞書で調べる。そのうちに気持ちは落ち着いてきますし、自然と国語の勉強に繋がります。……で、最終的に発信はしない。だから、僕のスマホのメールには愚痴を書いた文章がたくさん保存されています(笑)。
約10年にわたって誹謗中傷を受け続けてきたことで、想定外のお仕事をさせていただくようになり、そして、守らなきゃいけないかけがえのない存在もできました。そんな中で、いまいちばん“生きている”と実感するのは、朝起きて体が動く瞬間です。何事も起きずに家族がいる……それが本当に嬉しい。普通の生活をするのは当たり前のことかもしれないけど、それが急に当たり前でなくなってしまうこともありますし、もし、自分が事故を起こしたり、事故に巻き込まれてしまったら、そのときに、「かつての自分は恵まれていたんだ」と気づかされるはず。
人を蔑さげずんで幸せになる世界なんてどこにもありません。大好きだったばあちゃんの教えを守って、今日も僕は芸名のとおりに笑顔で過ごしたいと思います。
(構成・文/荒垣信子)
※本稿は、インクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2019」の掲載記事を転載したものです。