経営×経理

 残念ながら、予算消化のために研修企画を組む企業は珍しくありません。ただ、至極当然のことですが、社内研修は従事している仕事に落とし込みされることが前提になっているはずです。筆者も企業研修やセミナー講師として登壇させていただく機会がありますが、主催者の方と話をする中で、予算消化といった位置づけか否かまでは明確ではなくても、自身が進んで受講を申し込んで参加しているケースは稀だ、という実情を聞くことが少なくありません。

 つまりは、研修そのものの機能が形骸化しているケースなど珍しくない様子が、多々見受けられるのです。もちろん、このような裏事情ばかりではないのでしょうが、経理パーソンが自主的に学びたいと思うことができ、かつきちんと研修の機能を果たす方法を改めて見直し、実践するには、どのような手段が必要なのか。ポイントとして次の3点を挙げてみました。

【ポイント1】
やり方を再考し
システム変更も視野に

 前述したような「裏事情」を潜航させないためにも、単なる年中行事の位置づけになっていないか、あるいは長年に渡り同じ業者主催で同様の研修を受講させているか否かを再考してみることが、真っ先のポイントとして挙げられるでしょう。

 入社や人事異動、昇格によって人材は流動します。たとえ長年に渡り、同じメンバーで経理部隊が構成されているとしても、自社の経営方針や収益・利益、財務状況に関しては、何かしらの変動があったはずです。そのような状況の中で、経営管理者である人材が何ら代わり映えのしない研修をこれからも受け続けるのであれば、変化に対応できない人材で構成された経理部隊で、今後も仕事を進めていかなければならない危険性があると捉えるべきです。

 もちろん、経理パーソンは大人なので、何ら不満を口にすることなく研修を受講し、体裁を整えた報告書などを上司向けに提出するのでしょうが、腹を割れば「意味がない」「会社命令だから……」といった本音が見え隠れしていたケースもあったはずです。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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