就任から半年は順風満帆だった米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長。しかし、この半年は逆風が続いている。パウエル氏は経済見通しが急変し得ることを学んだ。そして、神経質な市場との対話が見た目より難しいこと、ドナルド・トランプ大統領がFRB議長の仕事をしやすくしてくれないことも知った。この先、パウエル氏は今まさに学んでいることを生かし、自身の任期を特徴づけるかもしれない課題に向き合う必要がある。それは、経済成長を維持するために利下げに踏み切るかどうかだ。パウエル氏には3つの試練が突き付けられている。既に10年に達した景気拡大期をさらに延ばす政策の設定、FRBが取る行動の理由を明確に説明すること、そして、ここ数十年の大統領としては最もうるさいFRBへの口出しを無視することだ。