【Case2】早く打ち合わせの日程を決めてほしい
早く打ち合わせの日程を決めたいけれど、クライアントがなかなか日程候補を出してくれず、スケジュールが組めない…こんな話もよく耳にします。クライアントとしても「早く決めなければ」とは思いつつ、目の前の仕事に追われてしまい、後回しになっているのでしょう。とはいえ、何度も電話やメールで、
×「そろそろ打ち合わせの日程を決めたいので、都合のいい日を教えてください」
とせっつくと、「こちらの事情も知らないのに、面倒くさい奴だ」と思われてしまうかもしれません。そんなときは、こう伝えてみてください。
〇「一緒に新しい戦略を練りたいと思っています。今度の木曜日、午前と午後でしたらどちらがよろしいでしょうか?」
これは、伝え方の技術「チームワーク化」と「選択の自由」を使っています。人は「一緒に」と言われると仲間意識を覚え、嬉しさを感じるもの。同じチームで仕事をしている仲間のお願いに応えたいと思ってくれるようになります。そして、「午前と午後、どちらがいい?」と選択肢を提示されると、思わずどちらかを選んでしまうものです。こちらの目的は、打ち合わせの日程を決めること。午前でも午後でも、相手が気持ちよく決めてさえくれれば、目的は達成できます。
「選択の自由」…どちらを選ばれてもいいように、自分のやってほしいものを2つ並べるのがポイント。最終的に相手が選ぶので、押し付けられた感が少なくなる効果もあります。
【Case3】電話ではなく、メールで連絡がほしい
ビジネスにおけるコミュニケーションの手段は、大きく変化しています。以前は電話が主流でしたが、最近では「相手の時間を拘束しない」などの理由からメールが主流に。「電話は時間が奪われる」と捉える人も増えています。
しかし、ひと世代上の人においては、まだまだ電話を活用する人が多い様子。忙しいのにクライアントからひっきりなしに電話が来て、対応に困っている…という人もいるのでは?しかし、
×「電話ではなく、メールでいただけますか?」
とズバリ伝えては、「わざわざ電話をしているのに、メールしろだなんて…」と相手の心証を害してしまう恐れがあります。そんなときは、こう伝えてみてはいかがでしょうか。
〇「佐藤さんの案件だけは優先して対応したいので、つながらないことがある電話ではなく、確実で迅速にお返事できるメールか、LINEでご連絡をいただけますか?」
これは「あなた限定」「相手の好きなこと」「選択の自由」、3つの技術を使った伝え方です。まず「佐藤さんの案件だけは」と相手を特別扱いすると、相手は話に乗りやすくなります。「確実で迅速」は、クライアントにとって嬉しいことであり、好きなこと。そのうえで、「メールかLINE」と選択肢を提示すると、「なんで電話じゃダメなんだ!」という発想にはならず、ごく自然にメールかLINEのどちらかを選んでもらいやすくなるのです。
「あなた限定」…あなただけ特別、と言われると、人はつい動いてしまうもの。自分だけ選ばれたという優越感から、話に乗りたくなるのです。