シリーズ累計131万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者で、「伝え方が9割体験セミナー」や「コピーライティング集中講座」も好評の佐々木圭一さんと、坪田信貴さん著『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公ビリギャル本人であり、著書『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』が話題の小林さやかさん。坪田さんを通じて面識があったお二人の、初の対談が実現!第3回目は、『伝え方が9割』について話が盛り上がりました。

「伝え方」の技術を駆使して、本を書いた

自分の気持ちではなく、相手の気持ちを考えて「伝える」

小林 佐々木さんの『伝え方9割』はだいぶ前に読んでいたのですが、この本を書く前にまた見直して、「伝え方」の技術をかなり使わせていただきました。一人でも多くの人に届けたいなと思って。例えば、「自分をぶっ飛ばしたい気持ちになった」とか。これって「赤裸裸法」ですよね?

佐々木 そうですね。

小林 学生たちに話すときも、親しみを表現するために結構素で「赤裸裸法」を使っているんですよね。あと、目次のコピーも、全部伝え方を意識して自分で作りました。

佐々木 目次は気づきました。どれも面白かった、全部。

小林 「なんだ、こりゃ」とか「クソジジイ」とかね。

佐々木 目次の「クソ」は出版社OKだったんだ(笑)。

小林 ここだけOKでした(笑)。だって他のところみたいに「クソ」を「超」に変えたら、「超ジジイ」になっちゃう。意味が変わっちゃうもの。

佐々木 ちなみに、読者のために「赤裸裸法」はどういうものかを説明すると…。伝えたい言葉の前に、身体の反応を表す赤裸裸ワードを加えると、言葉に何倍も気持ちがこもります。たとえば、緊張したことを伝えたいとき。普通は「緊張しました」の一言で済ませてしまう人が多いでしょう。そこに「息遣いが荒くなるほど」という、自分の体に起こっていることを付け加えて、「息遣いが荒くなるほど緊張しました」とすることで、その言葉が強く印象付けられるんですね。

小林 おお、直々に!なんか嬉しい!

佐々木 同じ内容であっても、この「赤裸裸法」を使うと、読者の記憶に残りやすくなると思います。

小林 「リピート法」も、本の中でめっちゃ使っていますよ。「本当、本当に本当に」とか(笑)。校正担当の人は「??」だったと思うんですけれど、超~強調したいときって、しゃべっていてもこうなるじゃないですか。

佐々木 コピーの世界でも、話し言葉をそのまま言葉にすると、すごく強いんですよね。「本当、本当に」とか、タイトルの「キラッキラ」もそうですけれど、あえて文字にすると頭にすっと入っていきやすい。

小林 とはいえ「キラッキラ」はめっちゃ恥ずかしいですけれどね(笑)。そうだ、『伝え方9割』は離婚した元夫もすごく読んでいたんですよ。

佐々木 本の中でも紹介されていた、元旦那さんですね。

小林 彼は居酒屋のオーナーをしているんですが、学生アルバイトなど若いスタッフの育成にめちゃくちゃ悩んでいたんです。で、『伝え方が9割』を貸したら、すごくうまくいくようになったって(笑)。

佐々木 え、本当?嬉しいなあ。

小林 『伝え方が9割』というタイトル、すごくわかりやすいじゃないですか、羨ましいことに。タイトルを見ただけで「伝え方ひとつで全然違うんだ!」と気づいて一生懸命何回も読んで。そして、主に「チームワーク化」の技術を使って声を書けるようになったんですよ。

佐々木 嬉しいですね。人は、「一緒に〇〇しよう」といわれると、思わずその話に乗りたくなるものなんですよね。

小林 そうなんです!「一緒に頑張ろう」と伝えることで、アルバイトのモチベーションを上げることができたらしくて。だから私も、佐々木さんの「伝え方の技術」をどんどん取り入れてこの本を書きあげました。

佐々木 特に文章って、頭に浮かんだことをそのまま書きたくなっちゃうんですが、それだと読者が読み取り切れないことがあるんです。キャッチボールに例えると、自分の好きなスピードで、好きな方向にボールを投げても、相手はそれをうまく捕らえられない。相手にちゃんと受け取ってほしいのであれば、自分がどう投げたいかよりも、相手の胸の位置に、捕りやすいスピードで投げてあげることが重要で。

小林 わかります!坪田先生にも高校時代からずっと、「さやかちゃん、コミュニケーションは受け手が決めるんだよ」と言われ続けてきました。当時はそんなこと言われてもピンとこなかったけれど、社会に出ていろいろな経験をして、そして『伝え方が9割』を読んで、「ああ、こういうことなんだな」ってわかりました。

佐々木 『伝え方が9割』を書いたとき、その点をすごく意識しました。僕が目の前にいて話をしているかのごとく、文字を読んだだけですべてがわかる…という状態に持っていこうと努力しました。

小林 とても読みやすいし、技術もすごくわかりやすいです。デートへの誘い方なんて、なるほど!って思いますよね。

佐々木 「デートして」ってそのまま伝えるのではなく、「すごくおいしいイタリアンを見つけたんだ。パスタがおいしい店か、フォカッチャがおいしい店、どっちがいい?」というふうに選択肢を挙げると、相手はついどちらかを選んじゃう。

小林 誘う側としてはどちらの店でもよくて、デートに来てくれればいいんですものね。

佐々木 「選択の自由」という技術を使うだけで、「ノー」の確率を下げ、「イエス」の可能性を上げることができるんです。それを皆さんに知ってほしくて。実際、僕の友人で、気になる女性をデートに誘うことができて結婚したっていう人がいるんです。

小林 すごい!! 元夫も、『伝え方が9割』で伝え方がガラッと変わったそうです。アルバイト一人ひとりに寄り添うようになって、「一緒にこういう夢を叶えよう!」とチームワーク化で巻き込んだら、みんながいい接客をするようになって、今も残ってくれる子もたくさんいて…。

佐々木 もともと元旦那さんにも「みんなと一緒に頑張りたい」という気持ちがあったはずですけれど、それを言葉にして、効果的な方法できちんと伝えたのが良かったんでしょうね。

小林 この後、元夫にメールしようと思っているんですよ。「今日、あの佐々木さんと会いました」って!

佐々木 (笑)。