49万部突破の大ベストセラー『わけあって絶滅しました。』。7月下旬には第二弾『続 わけあって絶滅しました。』の発売も決定している本書が、6月7日よりスタートした企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- の公式参考図書に選ばれた。専門書ではなく、あえて児童書とのコラボを決めた理由とは? 早速、企画展を訪問し、コラボの狙いについて調査した! (文/山本奈緒子)
今回コラボした「マンモス展」て?
企画展「マンモス展」が開催されているのは、東京・お台場にある日本未来科学館。企画展が始まる前日にプレス内覧会が開催されるとのことで、いち早く足を運んできました。
マンモスといえば、2005年に開催された「愛・地球博」でユカギルマンモスが展示され、大きな注目を集めた記憶がありますが、なぜ今再び、こんなにも大々的なマンモスの企画展が催されることになったのでしょうか?
今企画展の監修者である、作家・クリエイターのいとうせいこう氏によると、なんと最近、マンモスを蘇らせることが夢ではなくなってきているのだそうです。一体どういうことなのでしょうか?
「正直、今回の企画展はスケール感が違います。近年、地球温暖化の影響で、永久凍土の中から次々とマンモスが溶けて出てきています。その姿は、何万年も前の姿とは思えず、まるで一週間前に亡くなったかのよう。もちろん、このような状態のマンモスを普通の環境下で展示することはできません。今回の企画展が実現したのは、冷凍装置の技術が進歩しているからともいえるでしょう。
しかも、生命科学の進歩は著しく、発掘されたマンモスから取り出したDNAから、マンモスを復活させようというレベルにまで行こうとしている。今回の企画展は倫理的、哲学的、科学的な問題にについても考えさせる内容になっているのです。
つまり、「過去」の動物たちが展示されているだけではなく、「未来」に繋がっていくテーマでもある。過去・現在・未来……そういう三層の展示は、僕も今まで見たことがない。これは同じ古代生物でも、たとえば恐竜では考えられない、「マンモス展」ならではの醍醐味といえるでしょう。
それだけに文科系の人も理科系の人も、とくに興味がないという人が見ても楽しい展示会になっていると思います」(いとうせいこう氏)