2018年は「絶滅」をテーマとした本がベストセラーになり、テレビでも「絶滅動物」がたびたび話題になりました。なぜ今、絶滅というテーマが注目を浴びているのでしょうか?その謎に迫るべく、急遽ふたりのベストセラー著者の対談企画が実現!
絶滅ブームの理由から、絶滅動物の魅力、イチオシの絶滅動物まで……、「絶滅」について徹底的に語り合った様子を、全3回にわたってお届けします!(文/山本奈緒子)

41万部のベストセラー『わけあって絶滅しました。』著者・丸山貴史さんと、日本各地で展覧会が行われ話題の『絶滅どうぶつ図鑑』著者・ぬまがさワタリさんの相棒カワウソくん

ぬまがさワタリさん(以下、ぬまがさ) はじめまして、ぬまがさワタリです。こちらは相棒の「カワウソくん」。私の代わりに写真に写ってもらうために連れてきました。どうぞよろしくお願いします。

丸山貴史さん(以下、丸山) はじめまして、丸山貴史です。「カワウソくん」かわいいですね。今日はどうぞよろしくお願いします。

 

なぜ、いま「絶滅」だったのか?

――丸山さんは今年7月に『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』(ダイヤモンド社)を出版され、12月現在で41万部のベストセラーとなっています。ぬまがささんは10月に『絶滅どうぶつ図鑑 拝啓 人類さま ぼくたちぜつめつしました』(PARCO出版)を出版され、日本各地での展覧会も話題となっています。お二人が絶滅に関する本を出そう思ったきっかけは何だったのでしょう?

ぬまがさ 私は、シンプルに動物が大好きだったんです。とくに鳥や水生動物が好きで、よく水族館に行ってスケッチしていました。それが、生き物の色々な側面を取り上げた『図解なんかへんな生きもの』や『ゆかいないきもの図鑑』につながったんです。でも、次は全然違う題材で本を作りたいなあと思っていた矢先、編集者さんから提案されたのが「絶滅動物」でした。もともと絶滅動物にも興味があって、よく博物館に行ったりもしていたので、とんとん拍子に『絶滅どうぶつ図鑑』の企画がまとまりました。

丸山 僕は小さい頃から絶滅動物が好きで、「こんな生き物が存在していたのか!」と、絵を見るだけでわくわくしていました。でも、絶滅動物に関する本って、一次資料が限られていますから、ふつうに書くと他の本と同じようなことしか書けない。だからどうやって本にするか悩んでいたところ、編集者さんが「絶滅の“理由”に絞った本にしませんか?」と言ってきたんです。

ぬまがさ 理由、ですか。

丸山 ええ。そこで試しに絶滅理由を挙げてみたところ、アゴが重すぎた、やさしすぎた、風が吹かなくなった、酸素が足りなくなった……など、今までとは違った見せ方ができると思ったんです。「これは面白い!」ということで、絶滅理由をテーマにした『わけあって絶滅しました。』を作ることになりました。

2018年、「絶滅本」が相次いで発売された理由

左上『リアルサイズ古生物図鑑』(技術評論社)右上『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社)左下『絶滅どうぶつ図鑑』(PARCO出版)右下『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)

――今年は“絶滅ブーム”と言ってもいいほど、絶滅動物に関する書籍がたくさん出されました。

丸山 ほぼ同じ時期に、同じテーマの本がたくさん出たんですよね。ここ数年、そんなに盛り上がっているテーマではなかったのに、ふしぎなものです。何か1冊がヒットしたから後追いで作ったわけではないので、まさにシンクロニシティですよね。

ぬまがさ そうなんです! 同時進行で、色んな人が絶滅の本を作っていたことになりますね。これは、何か地球の意志が働いているのかもしれませんね。「人間たちよ、絶滅動物に着目しなさい」という(笑)。