リアルすぎる冷凍標本に驚愕!
そんな「マンモス展」に、いざ足を踏み入れてみました。
まずは「過去」ゾーンからスタート。いきなり、永久凍土から発掘された仔ケナガマンモスがお迎え(?)してくれます。名前はディーマちゃんというそう。ここではマンモスの種類や生態、彼らがどんなものを食べていたかなど、マンモスの基本知識について学べます。また、会場中央に展示された巨大なケナガマンモスの骨標本は圧巻。
続いて「現在」のゾーン。ここでは永久凍土からの発掘の様子とともに、今企画展の目玉でもあるケナガマンモスの皮膚、そしてつい最近まで生きていたかのような、原型をハッキリとどめた仔ウマや「ユカギルバイソン」の冷凍標本が展示されています。それはあまりに生々しくて、ちょっと不気味なほど……。
そして最後は「未来」ゾーン。発掘されたマンモスの血液を採取し、細胞核を取り出し、マウスの卵子に注入したところ、何と細胞核が動いた! その奇跡のような発見に至るまでの経緯を、漫画仕立てで分かりやすく展示してくれています。またこのブースでは、これまた生々しいケナガマンモスの鼻や、「ユカルギマンモス」の頭部の冷凍標本も展示されています。
こういった、冷凍標本や、生命科学の進化を見ていると、マンモスが現代に復活することも本当に夢ではないと思えてくる……。それだけに、「絶滅」や「生命復活」というテーマについても深く考えさせられます。
『わけあって絶滅しました。』はどんなコラボをしている?
このように様々なテーマを含んだ「マンモス展」。そこで「絶滅」という視点から、『わけあって絶滅しました。』も会場内に5つのパネルを展示することでコラボしています。『わけあって絶滅しました。』の制作を手がけた著者・イラストレーター・デザイナー・編集者ら制作スタッフが、今回の企画展のために書下ろしたのだそう。それはどのような内容かというと……。
まず最初にパネルが登場するのは「過去ブース」。このコラボを企画したチーフプロデューサーらしき方が、マンモスに檄を飛ばしている様子が目に飛び込んできました。内容を読むと、『わけあって絶滅しました。』に登場する絶滅動物たちの中で、意外とマンモスは人気がなかった、という驚愕の事実が明かされています!
続いてのパネルは、あのマンモスの皮膚の隣に登場。絶滅した動物の冷凍展示室を製作する費用がいかに高額か……という説明がされているのですが、何とそれは東京でマンションが買えてしまうほどだそう!
ちなみに3枚目のパネルでは、永久凍土から出てきたマンモスの臭いが……という裏話まで紹介されていて、思わず笑ってしまいました。4枚目では、なぜ発掘したマンモスを、わざわざ氷点下50度という真冬に運ばなければならない理由が説明されていて、見ているだけでも寒くなってきます……! この2枚のパネルは、ぜひ実際に会場に足を運んでお楽しみください!
最後のパネルは、「生命倫理」をテーマとしたエリアに展示。「そもそも絶滅って何?」という、私たちの根本的な疑問に答えてくれていて、あらためて生命の奥深さを感じさせてくれます。
5枚のパネルは会場内にバラバラに展示されているので、本筋の「マンモス展」を楽しみながら、ぜひ全てのパネルを見つけてみてはいかがでしょうか。