なぜなら、この時点でのRさんご一家の貯蓄額はたった190万円だったからです。収入は多くても、毎月使えるだけ使ってしまっていて蓄えがほとんどできていませんでした。せっかく留学に備え、塾などにも通わせ、子どもも頑張ってきたのに、いざ、というときにこの状況ではどうしようもありません。

 しかも、Rさん夫婦の年齢的にも、もう老後資金の準備も始めなくてはいけません。ある程度は退職金などが出るのでしょうが、年金だけでは暮らすことが難しい今、蓄えがないまま老後生活に突入するので不安が尽きないでしょう。

 このような状況になってから、お金の工面を考えても遅いと言わざるを得ません。そんななかで今からでもできるのは、毎月の収入からきちんと蓄えを作ることです。支出を見直し、無駄を省く。これをするだけで、いくぶんかは家計も貯蓄状況も改善するでしょう。

 読者の中には「子どもを留学させたりしないから、自分たちはまとまったお金は必要ない」と思っている人もいるかと思います。ですが、留学に限らず、子どもの教育費や老後資金が必要になる日は、いつか必ずくるものです。

 思いがけないことが起き、急に資金が必要になることもあるかもしれません。そのときに、きちんと支払えるだけのお金を、ある程度準備しておきたいものです。そのために、まとまったお金が必要になる前から支出を見直し、蓄えに回す金額を増やす工夫をしてほしいと思います。

 お金は急には増えません。やはり、不測の事態を予想して、またはあらかじめわかっているライフイベントに向け、お金をコツコツ貯めていきましょう。年齢とともに収入が増えることもあるでしょうが、つられて支出も増えていないかなど、ときどき家計を見直すようにしたいものです。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)