ミス・フィンランド「つり目ポーズ」で炎上、火に油を注いだ“筋の悪い”擁護とはサラ・ジャフチェさん Photo:JIJI

ミス・フンランドが「つり目ポーズ」で炎上し、その称号を剥奪された。国際的に問題となり、同国の首相が謝罪するまでの騒動になっている。こうしたアジア人差別による「炎上」はこれまでもあった。今回はこれまでよりも大きく問題になっている背景と、日本でのこうした議論の際によく言われがちな「悪意がなくてもダメなのか?」について考えたい。(フリーライター 鎌田和歌)

謝罪の言葉はフィンランド語だけ
さらなる批判を招く

 目尻を指でつまんで細いつり目にする「つり目ポーズ」。ミス・フィンランドとしてミス・ユニバース世界大会に出場したサラ・ジャフチェさん(22歳)は、これによってミスの称号を剥奪された。

 彼女は11月末に「中国人と食事中」のキャプションと共にこの写真を投稿し、大炎上。謝罪したものの「キャプションは友人が知らないうちに追加したものであり、私の意図ではなかった」といった説明や、謝罪の言葉がフィンランド語だけで書かれていたことが誠実ではないとして、さらなる批判を招いた。

「頭痛や目の痛みがしたからこめかみをもんだ」とも弁解したが、実際の写真を見る限りその説明には無理があると感じる人も多かっただろう。

 騒動は拡大して12月になってからも続き、15日にはペッテリ・オルポ首相がジャフチェさんのポーズを批判した。

 しかし、同国内にはジャフチェさんを支持する議員もいたようで、右派政党に所属する3人の議員が同じポーズをした写真を投稿。

 中には「私はサラ!」とキャプションをつけた議員もいた。この議員らはミス剥奪の処分が厳しすぎると感じたためと釈明したが、その後批判が高まり投稿を削除している。