一方で、「利用条件の限定」の実施がとても難しいことも、永平寺町での各種活動などを通じて十分に理解しているつもりだ。地域交通では、地域それぞれの社会事情を十分に踏まえた「ローカルベスト」を目指すことが先決だ。

 そうなると、地域によってさまざまな利用条件を設定する必要があり、仮にその条件を守らなかった場合の罰則条項の設定も難しい。

 都道府県警察本部としては、仮に警察庁から「現場の独自性を重視」と言われても、具体的にどう対応すればいいのか、「何かあった場合の責任問題」を含めて、警察本部それぞれの判断が難しい。

 そうした「役場の事情」がどうであれ、高齢化率が高くなる社会における国民目線でローカルベストな高齢者免許を導入するべきだ。

 限定条件を規制という枠組みで捉えるのではなく、地域の活性化、または地域の存続を考慮したうえで、市町村の条例なども活用した柔軟な対策が必要だと考える。

 限定免許とは、現行法における、免許の継続または返納という二者択一ではなく、運転継続のための選択肢を増やす方法である。

 一方で、免許返納後の高齢者の移動について、ドアツードアの小型バス移動システム、または自宅周辺の短距離な移動ではハンドル式電動車いすなどの活用を含めて、市町村レベルで高齢者に対する生活支援としてのセーフティーネットの構築が求められる。

 高齢ドライバーへの対策について、本連載では今後もさまざまな角度から紹介するつもりだ。

(ジャーナリスト 桃田健史)