・お腹は気になるが、時間やお金をかけたくない
・運動はしているが、お腹の悩みを解決できない
・お腹を凹ませて、人生を変えたい
 そんな方のために、好きなものを食べても運動しなくてもやせて、腰痛、猫背などの不調も改善する「合理的な方法」をお伝えしていきます。ビジネスと同じで、まずお腹が出る原因を探り、目標を設定すれば、とるべき手段が明確になり、おのずと結果はついてくる、そんな方法です。

お腹が凹んで人生が変わった人の実例 後編

背筋を伸ばすから
若返り効果も絶大

お腹が凹んで人生が変わった人の実例 後編植森美緒(うえもり・みお)
1965年生まれ。健康運動指導士。ダイエットに失敗した10年間の経験を生かし、リバウンドしない方法を提唱。自らもそれを実践し、最大60kgから14kg減量した体型を維持している。スポーツクラブ、カルチャースクール、専門学校、整形外科、自治体、健康保険組合、企業、女性誌など多彩なステージで活動を重ねている。実践のしやすさと続けやすさをモットーにしたセミナーは、その場で効果を実感できる点が参加者からも好評。著書に、『30秒ドローイン!腹を凹ます最強メソッド』監修:石井直方(高橋書店)、『腹だけ痩せる技術』(メディアファクトリー新書)、『世界一簡単な「くびれ」の作り方』(PHP文庫)など多数。

「奇跡のくびれ」とほめられる私のお腹よりもずっときれいなお腹になった2人の女性は、とくに衝撃的でした。何が衝撃的だったかというと、1人は30代にして三段腹、もう1人は私とは母と娘ほども年が離れた60代という年齢だったからです。人の体というものはここまで変わるものなのかということを目の当たりにすると、驚きとともに、とても励まされました。

 そのほかにも、「何をやっても凹まなかったお腹が凹んだ」「捨てられなかった20代の頃のジーンズを履けて感動した」「つらい肩こりが楽になった」「長年の腰痛でコルセットが手放せなかったのが嘘のよう」「便秘がよくなった」「自信がついた」「運動のストレスから解放された」「同窓会で若いとほめられた」など、喜びのお声は多岐にわたります。

 また、講座を受けた方が帰りに「なんだかすごく気持ちが明るくなりました!」とわざわざ言いに来てくださることもめずらしくありません。これはおそらく、背すじを伸ばすことによる効果と思われます。私も以前から、落ち込んでいるときに意識的に背すじを伸ばすと元気が出ることを感じていたのですが、これは気のせいではなかったとわかりました。

 体の状態と気持ちの状態にはフィードバック機能があって、体の状態によって心の状態が変わることが脳科学など様々な分野の研究で確かめられています。

 たとえば、「笑いヨガ」では、おもしろくもなんともないのにひたすら大声で笑うのですが、そうしているうちに本当に気持ちがすっきりし、楽しいわけでもないのに、なぜか明るい気分になるのです。笑うことで免疫力が上がることも血液分析の結果で確かめられていて、「笑い」は病気の治療としても取り入れられるようになっています。

「笑う門には福来たる」が科学的に確かめられた形です。

 数多くの研究でも、一定の時間、背中を丸めておいてもらうグループと、背すじを伸ばしておいてもらうグループでは、前者は暗い気分に、後者は明るい気分になることが確認されています。ダイエットドローインでは、背すじを伸ばすことを重視していますから、脳が気持ちに影響しているということでしょうか。

 実は、ダイエットドローインを実践されている男性から、「精力が戻った」というお声をいただくことがあります。

 お腹を大きく引っ込めることで腸が刺激されて便秘が改善する人は多いので、当初は、それと同じく、内臓器官である精巣の血行がよくなるのかなと推測していました。

 けれど、むしろ姿勢がよくなることで、体が「若返った」と脳が勘違いをする、そんな可能性もあるのかもしれません。