クラウドワーカーの
待遇の低さが起業のきっかけ

 会社に所属しながら毎日自宅で勤務できる“完全リモート”の仕事も登場している。2014年にオンラインアシスタントサービス「キャスタービズ」を開始し、現在在籍する社員約270人のうち87%が女性のベンチャー企業、キャスターだ。

 キャスタービズとは、月額9万6000円(年間契約の場合)で月30時間まで、アポ取りや電話受付、スケジュール調整などの秘書業務から、人事・経理業務、テープ起こしやライティング、WEBサイトの運用やバナーなどの素材作成まで、補佐的な作業を代行してくれる便利なサービスである。

 契約者はパソコンやスマホのチャットなどを通じて仕事を依頼し、キャスター側では「アシスタント」と呼ばれるスタッフに適切に割り振って作業を行い、成果物などを納品する。作業を割り振るディレクターもアシスタントもキャスターのメンバーだが、皆、物理的なオフィスに出社することなく、全国各地の自宅やコワーキングスペースでノートパソコンを開き、フルリモートで対応しているのが最大の特徴だ。

 働く時間帯は一般的なオフィスワーカーと一緒。午前9時にノートパソコン上でタイムカードを打刻して仕事を始め、昼休みは1時間休憩。午後からまたノートパソコンに向かって仕事をして、午後6時に終業してパソコンを閉じる。また、キャスターには人事や経理、総務などのバックオフィスや、営業、開発の社員もいる。福利厚生、社会保険への加入、有給休暇があるのも通常の会社と同様だ。ただ働き方がリモートであり、オンライン上で仕事をしていることだけが異なっている点だ。

 そもそも同社がフルリモートの会社を立ち上げたのは、オンライン上で仕事を受けるクラウドワーカーの待遇があまりに悪いことに、中川祥太社長が“怒り”を覚えたのが発端だ。