企業価値評価がおおよそ29億米ドル(約3231億円)に達したLuckin Coffeeは、この4日前、スターバックスの第二の大株主で最大の運用大手であるブラックロックから1.5億米ドル(約167億円)の出資を受けたばかりだ。

 2017年10月に設立されてから、Luckin Coffeeは1年半という短期間の間に3ラウンド、合計5.5億米ドル(約612億円)の出資を獲得している。しかし目論見書によると、Luckin Coffeeは昨年16億人民元以上の損失があり、これまで合計22.26億人民元(約370億円)の赤字となっている。

入り混じる成長期待と懐疑論
大波が打ち寄せる中国の喫茶市場

 そのLuckin Coffeeの投資価値を疑問視する投資家は多い。「プロモーションで生まれるニーズは基本的には偽のニーズだ」と批判する声もよく聞かれる。

 一方、大きな成長が見込める中国コーヒー市場で、レギュラーコーヒーのニーズは日ましに増加している。Luckin Coffeeは、まさに中国のレギュラーコーヒーの「高い」と「購入が不便」という2大ペインポイントをとらえた。「だれでも気軽においしいコーヒーを飲める」と銘打ち、2018年の1年間でコーヒーとその他の商品の合計で9000万杯を売上げ、顧客のリピート率も54%を超えた。

 設立してから「スターバックスを追い越せ」というスローガンを打ち出したが、実際はセブン-イレブン、ファミリーマート、便利蜂などのコンビニを競争相手にしている。「Luckin Coffeeは、もし望み通りに市場に強いブランドを認知させることができたとしたら、最終的に利益を得ることができるだろう」と支持する投資家も少なくない。

 こうした大波が打ち寄せる中国の喫茶店市場では、中国進出の一番よいタイミングを逃がしてようやく上海に最初の店舗を持ったドトールコーヒーにとって、波乱万丈の未来が待っているかもしれない。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)