端末値引きにも上限
iPhone以外の中価格端末シフトも

 総務省が18日にまとめた新ルールは、これだけではない。スマートフォンなど端末の値引きの上限は「2万円」に制限した。

 この数値も根拠が薄弱だが、18日の有識者会議では一部の委員から「省令なのでまずは始めてみて、想定と違うことが起きればすぐに直すということがあってもいい」との意見が出た。同省の裁量範囲は確実に広がっている。

 当面、このルールで、スマホの端末価格は上昇する見通しだ。例えば、現行ではNTTドコモの「月々サポート」など端末購入補助があれば半額近くまで値引きされるが、新ルールでは、端末価格が12万円強の「iPhoneXS」なら10万円超の負担をユーザーに強いることになる。

 ただ一方で、米グーグルは同社のスマホ「ピクセル」で4万円台のモデルを発売しており、ソニーも「エクスペリア」で「Ace」という4万円台のモデルを投入した。シャープも「アクオス」で中価格帯を充実させている。

 これによりiPhoneの価格が10万円を超えても、他社の4万~6万円の中級モデルが増えれば需要がそちらにシフトする可能性もある。総務省は、ユーザーの平均端末価格の押し下げを狙っているようだ。

「今までは月1万円近くする通信料金のうちの何千円かがiPhoneの端末価格の支払いに流れていて、アップルはのうのうと定価販売を続けてきた。これを断ち切る」(総務省の別の幹部)のも、通信料金と端末価格の完全分離の狙いであるという。

 こうして総務省は、通信料金は楽天の契約移行を促して大手3社の寡占を打開し、端末価格はアップル以外の端末メーカーの選択肢を増やしていく構えだ。

 秋の改正法施行で、携帯事業者をコントロールする権限を強める総務省は、実行と検証を繰り返しながら料金引き下げを目指していくが、強引な締め付けには反発もありそうで、危うさをはらむ。