万が一のときにも
路頭に迷わないという安心感
その他の、北欧の国々の制度を見ていきましょう。
デンマークでは仕事をなくした場合、失業保険はもちろん、仮に失業保険に入っていなくても「スタートヘルプ」というお金が支給されるそう。
たしかに、北欧の国々では、ホームレスをほとんど見かけませんでした。万が一のときに路頭に迷わないという安心感が、幸福度の高さにつながっているのは間違いありません。
30歳になるのを機にビームスを退社し、フィンランドで日本の家具や雑貨を扱うお店をオープンさせた中村浩介さんは、語学留学の学生ビザのまま、会社を起ち上げてしまったそう。

「やる気さえあれば、意外と簡単でした。会社をつくるのも65ユーロで、ほかにもビジネスアイデアによっては、スターティングマネーももらえたり」
中村浩介さん/フィンランド/家具・雑貨ショップ経営
また、これは北欧だけに限ったことではありませんが、個人の家に住み込みでベビーシッターなどの手伝いをしながら留学などをする「オーペア」という制度があります。

「18ヵ月契約、1週間30時間までで、ビザももらえる。お手伝いさんというより、もう少し対等な立場で、最低払わなければならないお給料も決まっているし、雇用主は保険もかけなければなりません。デンマークではフィリピン人が多いですが、オーペアガールになる日本人も多いんですよ」
バーバラ・マリーヌ・フィッシャーさん/デンマーク/医師
税金が高く、共働きが当たり前の北欧の国々では、お手伝いさんよりも安く家の面倒をみてもらえる制度を、国が用意しているのです。
![[北欧現地インタビュー:ライフスタイル編]「衣」「食」のニーズが異常に低く、「住」「旅」が高い](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/a/360wm/img_9a8e9c57659332ccb2f3460dd5ad1128124172.jpg)
![[北欧現地インタビュー:お金と仕事編]バブルを生きてきた日本人は、「満足の閾値」がムダに上がってしまっている](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/5/6/360wm/img_56196426006247abd358bd0d167e16d1130789.jpg)

