赤池「王子様」さんと名付けられた山梨県在住の男性(18)が今年3月、「肇」(はじめ)さんに改名することを甲府家裁に認められた。当時、彼はまだ高校生だったが、自分からキラキラネームの変更の申し出を行った。一般的に、名前を変えることはかなりハードルの高いことのように思えるが、実は意外に簡単にできるのだ。なお、ここでいう改名とは姓ではなく名の変更と考えていただきたい。(清談社/岡田魅都惡)

キラキラネーム世代に
知れ渡った「朗報」

ああああああああ前科を持っている人以外は、それほど難しくない「改名」。キラキラネームを含め、申請が認められるためには7つの条件がある Photo:PIXTA

《名前変更の許可が下りましたァー!!!!!!!!》

 3月上旬、Twitter上で赤池さんが改名を公表すると、瞬く間に13万リツイートされ、《おめでとう》《長い間お疲れ様でした!》といった祝辞が寄せられた。

 彼は、いわゆるキラキラネーム世代の1人。キラキラネームとは、一般的でない漢字の読み方や、人名には合わない単語を用いたような、一風変わった名前のこと。1990年代半ばから出始め、2000年代に入ってから急激に増加したネーミングのトレンドだ。

 キラキラネームは、多くの著名人も我が子の命名に使用している。元モーニング娘。の辻希美&杉浦太陽夫妻は長女・希空(のあ)ちゃんと長男・青空(せいあ)君と二男・昇空(そら)君、ダイアモンド☆ユカイ氏は長男・頼音(ライオン)君と二男・匠音(ショーン)君など枚挙にいとまがない。

 もちろんすべてではないが、キラキラネームを名付けられた子どもの中には、その名前のせいで嘲笑の対象にされたり、初見で正しく名前を読まれなかったりなど、不利益を被る場合もある。

 弁護士法人・響の坂口香澄弁護士は、今回の赤池さんへの甲府家裁の判決について、次のように語る。

「この一件で、まずは日本に改名制度があるということが周知されたと思います。いわゆるキラキラネームが注目を浴びるようになってからだいぶたちましたが、そういった名前を付けられたお子さんたちの中には、すでに単独で名前の変更を申し立てられる年齢に達した方も多いはず。これからも、改名を希望する方が増えていくことも考えられるでしょう」