政治闘争駅の代表例。新山口駅への改称と引き換えに、小郡町はのぞみ停車の権利を得た Photo:PIXTA

週刊ダイヤモンド2018年10月6日号第1特集は「新幹線vs飛行機 十番勝負」。新幹線や飛行機は、地方自治体にとってはどちらも非常に重要な存在だ。駅や空港が地元にできれば産業振興の起爆剤になるからだ。そこで、両交通機関の駅や空港に目を向けてみると、その名前やネーミングの背景が興味深い。両交通機関の勝負から一歩引いて、ネーミングを調べてみた。

 リニア工事の大井川水系問題をめぐり、川勝平太・静岡県知事とJR東海がバトルを繰り広げている。その諍いの根っこに、両者の因縁を指摘する声は多い。「静岡県は新幹線新駅を設置してくれないJR東海に意趣返しをしているのでは」(JRグループ関係者)。

 富士山静岡空港の真下には東海道新幹線が通っている。かねて静岡県は新幹線駅の設置を熱望してきたが、JR東海は、非効率を理由に首を縦に振らなかったのだ。そんな話が語られるほど、地方都市にとって「空港・新幹線駅」の設置は重い意味を持つということなのだろう。

 まずはインパクトで集客する意図なのか。全国にある97空港のうち32空港が愛称を名乗っている。そのはしりは1997年の「あきた北空港」で、2001年の「セントレア(中部国際空港)」で全国に知られるようになった。センターとエアポートの造語で、キラキラネームかと思いきや、今やすっかり定着している。

 「たんちょう釧路空港」や「徳島阿波おどり空港」など、地元の名物を名付けるケースが多く、「鳥取砂丘コナン空港」と「米子鬼太郎空港」は、漫画やアニメのキャラクターの名前を使った珍しいケース。いずれも愛称を通して地元のPRを行っている。

 残念な例としては、「富山きときと空港」だろうか。生きがいいという意味の“きときと”を付けたところ、県外者には全く意味が分からない。記者は富山出身だが、この愛称が決まったときにがっくり肩を落とした記憶がある。残念ついでに言えば、北陸新幹線開業をにらんで愛称が決まったはずなのに、「強力なライバル出現で早々に愛称の効果は薄れてしまった」(県の関係者)という。

 オチは、茨城空港だ。国際線を誘致しようと考えられた英語名の案は「トウキョウメトロポリタン・イバラキエアポート」。長過ぎた故、命名は見送られてしまった。