日産の株主総会は
3時間20分余りの長丁場
6月25日に開催された日産自動車の定時株主総会は冒頭、カルロス・ゴーン元会長の不正問題と、不適切な完成検査問題について「深くおわびする」との西川廣人社長の陳謝から始まり、3時間20分あまりの長丁場となった。
4月8日に開催された臨時株主総会に続く、今回の定時株主総会。日産は約20年にわたったゴーン長期政権からの“決別”という大きな節目を迎えた。
“当面の続投”が決まった西川社長にとっては、早期に日産が生き残るための方向を見いださねばならぬ「重い課題」を突き付けられたといえよう。
重い課題とは、何か。
まずはルノーとの資本構成の問題を解決することだろう。何といっても43.4%を握られている(日産はルノーに対して15%だが議決権がない)ことでルノーの圧力が常にあるし、ルノーの背後に仏政府がいるのも悩ましい。
一方、ルノーは日産との経営統合の意欲を強めている中で、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)との統合交渉にも入った(白紙に戻したが…)。
日産としては、ルノーと三菱自動車を含む3社連合の枠組みを外すことなく、この“自動車大転換時代”生き抜く路線をいまさら変えるべくもない。必然的にゴーン氏の後任として仏政府から指名されたスナール会長と西川日産社長の交渉次第であり、西川社長のタフネゴシエーターとしての才覚が発揮されるかが注目されるところだ。
また当面の大きな課題、日産の大幅減益による業績不振をいかに早期に回復させるか、西川社長の経営手腕が問われることになる。
日産の前期(2018年3月期)業績で、本業のもうけを示す営業利益は前期比45%減の3180億円、売上高営業利益率は2.7%にまで低下。米国事業悪化が大きな要因でこの立て直しに躍起となっているが、米国での日産のブランド力は大きく低下している。