薄毛の不安が消える時
日本男児に武士多し

 最後に、薄毛の不安が解消する瞬間について触れておきたい。

 アンケートでは「薄毛の気になり度合い」に関しての質問もあった。これによると、薄毛が「気になる」「やや気になる」と回答した人が、

薄毛だと自覚している人…67.8%
薄毛進行者…80.1%
薄毛初期症状者…47.2%

 となった。

“薄毛だと自覚している人”と“薄毛進行者”の間で、数字の逆転現象が起きている点に注目していただきたい。薄毛の人の方が「自分が薄毛であること」を気にしていそうなものだが、実際には薄毛予備軍とでもいうべき“薄毛進行者”の方が、「自分が薄毛であること」を気にしているようなのである。

 だいぶ昔に読んだので細かい言い回しは覚えておらず恐縮なのだが、武士の心構えを説いた江戸時代の書『葉隠』に次のような主旨の一節があった。「夕立にあって、なんとか濡れないようにと軒下を伝い歩くけれども、いったん濡れる覚悟を決めてしまえばそんな面倒なことをせずとも、雨の中を悠々と歩くことができる」、と、たしかこんなところである。

 この話を薄毛のあれこれに当てはめると、この武士たる心構えを“薄毛だと自覚している人”は体得していることになる。薄毛進行中は薄毛に気を病んでいたが、いざ薄毛になってしまえばあれこれ思い悩んでも仕方がないので、突然の夕立に降られたがごとく、覚悟を決めて状況を受け入れて泰然とする。日本男子には武士が多いのであった。

 薄毛への不安は、一度抱いてしまうと晴れることはなくその人につきまとい続けるが、武士の心構えで折り合いをつけることができるようである。願わくば筆者も、来るその時に備えて己を磨き、強き武士の心を育んでいきたい次第である。