さて、小沢氏自ら採決後の記者会見で語ったように、直ちに離党して新党を結成することにはならないようだ。おそらく小沢氏は、処分を待って行動を起こす気になったのだろう。処分が決まって、それが通告される前に離党するということだろうか。今後の世論が、離党を躊躇する人に決断を促すと読んでいるのかも知れない。

 採決後、谷垣禎一自民党総裁は、造反者の処分をあらためて強く要求。野田首相も記者会見で処分は「厳正に対処する」と宣言した。

 しかし、この処分問題は一筋縄ではいかない。新たな混乱要因になることは避けられないだろう。自民とはもちろん、処分を受けた人、民主党内などすべての人を納得させる処分は至難の業だからだ。

日本の政治史に残る「重大な公約違反」

 今回の政局で鳩山氏はきわめて重大な2つの証言をした。

 1つは、前回の総選挙で消費税増税はしないと公約しているということ。だから、野田首相は公約とは「真逆のことをしている」と断言した。

 政権交代時のリーダーだけに野田首相は反論も弁明できない。

 また、昨年の代表選挙のときには、野田首相は消費税増税について約束しなかったとも言った。首相は代表選挙で約束したと言っているがどうなのか。

 かつて日本の政治史に、これほどまで明確な重大公約違反があっただろうか。私は知らない。

 これから政局は、ロンドンオリンピックで一時的に不連続になる。その間、今回賛成した民主党議員も、選挙区で厳しく追及されて事態を直視することになるだろう。

 そうなれば党内の空気も大きく変わり、順調に参議院で可決成立に至るとは限らない。