上昇した長期金利と日経平均株価を示すモニター=12月22日 Photo:JIJI
日銀、1月会合以来の追加利上げ
だが円安157円台、10年国債金利は2%超え
日本銀行は、12月18、19日の金融政策決定会合で、事前の予想通りに追加利上げを0.25%幅で行い、政策金利水準を0.75%まで引き上げた。
利上げは、2025年1月に0.50%へと引き上げてから約11カ月間のインターバルを置いて、かなり緩やかなペースでの追加利上げとなる。
動機は、明らかに円安対策だろう。もしも、日銀が今のタイミングで利上げに動かなければ、為替レートは1ドル=160円のラインを突破して、円安が加速しただろう。
だが、利上げにもかかわらず19日の為替市場は日米金利差縮小による円安調整ではなく逆に円安が進んで1ドル=157円台となり、22日の週も円安基調は変わらない。
今回の利上げで円安のトレンドはいずれ変わることになるのか。
当面の焦点は、クリスマス前後に2026年度当初予算案が固まった時だろう。そこで、歳出規模がさらに大きく膨らむと2025年度補正予算に続いて、インフレ加速とそれに伴う通貨下落の圧力が高まるだろう。
さらに懸念されるのは、長期金利の動向だ。
利上げを受けて19日の国債市場では、10年国債の利回りが2%を超え、さらに22日には一時2.100%と、1999年2月以来約27年ぶりの高水準になった。
植田和男日銀総裁は、決定会合後の会見で、「現状では実質金利の水準はまだかなり低い」と語り、政策金利の0.75%について「まだ中立金利(推計値)の下限とは距離がある」として、26年以降も、利上げを続ける考えを示した。
筆者は、政策金利は、最終的には、28年半ばに2%まで引き上げられると見ているが、財政膨張を背景にした長期金利の動向次第では、日銀の意図する穏やかな利上げ継続がシナリオ通りにいくかどうかはまだ見通せない。







