通常の事業会社であれば、株主総会で合併反対票が賛成票を上回ればさくらの勝ちだ。ところが、REITの投資主総会では、通常の株主総会と違って、出席せず、かつ議決権を行使しない投資主は、“自動的”に賛成とみなされてしまう。

 これが、投信法93条第1項に定められている「みなし賛成」制度で、「賛成票プラス無投票」がさくらの主張する反対票を上回ってしまえば、スターアジアに軍配が上がってしまうのだ。

 RIETの買収などに詳しい弁護士によれば、「REITの投資主は議決権行使にあまり積極的ではない。そのため、買収者側によって提案された議案はみなし賛成によって可決となりやすい」と指摘する。

 つまり、この段階でさくらは崖っぷちに立たされていたのだ。

ホワイトナイトを探して
合併を逆提案する奇策に

 そこでさくらは、“奇策”に打って出る。それは、自ら有効的な買収に応じてくれる「ホワイトナイト」を探し出し、さくら側から投資主総会に合併提案をするというものだ。

 関係者によれば、「提案があってから2ヵ月近く、さくらは国内外のREITを回り交渉を続けてきた。このうち海外のREITは、さくらを安く買いたたいた上で非上場化し、保有物件を個別に売却する思惑が見えたため見送った。そこで国内勢に切り替え、大手だけでなく、小さいREITに至るまで交渉に回っていた」と明かす。

 その結果、さくらがたどりついたのが、オフィスビルを始め商業施設や住宅など、幅広い種類の不動産を組み入れて投資する総合型REITの「投資法人みらい」だった。