フェイスブック仮想通貨、規制の目はかわせないPhoto:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 フェイスブックの「リブラ」は形の上では仮想通貨(暗号資産)だとしても、ビットコインよりむしろ、50年前に生まれたマネー・マーケット・ファンド(MMF)に似ている。MMFは2008年の金融危機以降、規制当局から厳しい監視の目を向けられている。投資家はリブラが規制当局の関心をかわせるとは思わない方がいい。

 この手の議論は、シェアリング経済の旗手である配車大手ウーバー・テクノロジーズや民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーなどでも聞き覚えがある。彼らのサービスは新しい価値をどのくらい生み出すのか? あるいは古めかしい法制度に一歩(しかも一時的に)先んじただけなのか? リブラはおおむね後者のケースだと思われる。

 このいわゆる仮想通貨は、誰もがトランザクションを記録し、認証できるビットコインのようなものではない。リブラの場合、どの組織がその仕事を行うことになるかは、少なくとも今のところはフェイスブックが決めるという。また、リブラの価値が大きく変動することはない。複数通貨による流動資産(バスケット)が裏付けとなっているためだ。

 この仕組みは1970年代初め以降、多くの企業や投資家がキャッシュの管理に用いてきたMMFに非常によく似ている。MMFは1口当たりの基準価額を1ドルに固定して現金のように見せかける一方、顧客の資金をごく短期の債券で運用し、いくらかリターンを提供するものだ。

 リブラの場合、その収入はフェイスブックのものになる。ユーザーの利点は送金が容易なことだけだ。フェイスブックは銀行のシステムがまだ整っていない国々でリブラが支持される可能性があるとみる。一方で今週、米国や英国に続いて日本の規制当局もリブラに対する懸念を表明した。

 MMFは長年にわたり、何とか法の目をかいくぐってきた。