米国と中国は今週、貿易協議の再開に向けて交渉責任者が電話会談を行う。しかし、過去の約束事項を巡る意見の相違や国内の政治的要因が協議の進展を阻みかねない。ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は6月29日の首脳会談で、貿易協議を正式に再開することで合意した。だが、事情に詳しい関係者によると、2カ月前に協議が中断する原因となった問題はまだ解決していない。例えば、米国は中国に対し、農産物・工業製品の購入拡大や知的財産権の保護を求めている。一方の中国は、2500億ドル相当の中国製品に対する関税の撤回を求めている。米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」の常勤研究員、デレク・シザーズ氏は、早期に妥結できないなら、先の首脳会談は「通商紛争を解決したのではなく抑制しただけ」ということになると述べた。