毎年大盛況のモノづくり授業見学会(芝浦工業大学附属)

夏休みを前に、学校説明会を兼ねたさまざまなイベントが中高一貫校で催される。今回は、夏休みの自由研究のアイデアを与えてくれたり、モノづくり授業の様子を観察できたり、いま話題のSTEAM教育の第一人者が登壇する講演会をご紹介しよう。(ダイヤモンド・セレクト編集部)

「自由研究」はこの中学校で考えてみる

プログラミング講座の様子(武蔵野中学高等学校)

 夏休みの中学受験生は何かと忙しい。受験勉強のことを考えると、学校の宿題は7月中に終わらせて、余裕を持って勉強に励むのが望ましいだろう。中学受験生が多い小学校では、親からの要望もあって、夏休みの宿題を制作物など集中して取り組めるようなものにしているところもある。こうした自由研究などのアシストをしてくれる中高一貫校のイベントもある。一緒に取り組む形式のものが多いので、参加人数には限りがある。

 東京・北区の武蔵野中学高等学校では、7月27日に、体験イベント「理科実験教室」を開催する。昨年は、理科教員が中心となって、空気をテーマに「空気の流れを考えてみよう~身近な道具から空気砲と飛行機作りにチャレンジ!!~」が行われた。夏休みが始まったばかりのタイミングだが、「夏休みの宿題の自由研究を仕上げます!」というように、受験生にとっては心強い。ただし、残念ながら今回はすでに満席となっている。

 東京・昭島市にある啓明学園では、「自由研究相談会」が7月21日に行われる。こちらはズバリ「自由研究」をテーマに掲げているだけあって、さまざまなアプローチの相談会やワークショップが用意されている。小3~小6生を対象に、「スライム&スーパーボール」「飛び出す絵本」「コイルモーター」「絞り染め」「アイスバー」が予定されている。学校の先生と一緒に体験学習ができる貴重な機会でもある。

STEAM教育を知るためのイベント

 東京・江東区の芝浦工業大学・豊洲キャンパスでは、ものづくり授業見学会として、7月14日に「ロボット入門講座」が開かれる。こちらは付属中高の中2生全員が受講する授業を一緒に体験しようというものだ。芝浦工大が開発した教育用ロボットシリーズの初心者向け「ビートル型」ロボットを1人1台、1日で製作するもので、高大連携のSTEAM教育の実践例としても貴重なものとなるだろう。

 毎年人気の講座で、今年は申込開始の翌日に80組の定員が埋まってしまった。昨年の様子はこちらで動画が公開されている。  

 中高の理科の先生には、科学技術教育の専門家はめったにいない。その点を系列大学の協力で補えるのが付属校の強みだろう。 

 ところで、いま話題となっているSTEAM教育とは、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字から取られた教育手法のことで、科学・数学・芸術領域に力を入れようというものだ。これらはデジタル社会でも、人工知能(AI)が代替しづらいクリエイティブとホスピタリティーの領域でもある。なお、最近ではAをリベラルアーツのArtsからと考える動きもある。

 STEAM教育の観点から、「いまさら聞けない プログラミング教育って何?」というテーマの講演会が、東京・港区の東京女子学園で7月21日に開かれる。森上教育研究所との共催で、募集は始まったばかりだが、最先端の動きに触れるためにも、ぜひ参加していただきたいイベントである。

「子どもの理科離れをなくす会」代表・北原達正氏

 講師は京都大では宇宙物理学や情報教育の指導経験もあり、16年前から国内だけでなく海外でも小・中・高校生にSTEAM教育を実践している「子どもの理科離れをなくす会」代表、「(一社)国際科学教育協会」代表理事も務める北原達正氏。国際科学技術コンテストの理事などを歴任し、科学館や有名中高のアドバイザーも努めているだけでなく、指導者育成として現役の先生にも指導法を教授している日本のSTEAM教育の先駆者の一人だ。

「2020年から本格的に始まるプログラミング教育。巷ではたくさんの教室ができていますが、それがなぜ必要なのか、何ができたらいいのか、できたらいいことがあるのか、海外ではどうしているのかなど、もやもやとした疑問は多いと思います。多くの学校や科学館での事例、海外との比較を交えて、みなさんの疑問に明確にお答えします」(北原氏)