消費増税についても
中途半端な姿勢

 まず与党は消費税を予定どおり10月に、「現行の8%から10%に引き上げる」としている。とはいえ、選挙公約の前面には出さず、引き上げた消費税を財源として幼児教育や高等教育の無償化等を行うことを前面に出している。

 しかし、安倍官邸は「増税が経済に悪影響を及ぼすこと」を理解し、本音では消極的で、まだ増税を「凍結なり延期なりする可能性がある」という話すらある。そうなると、現状では10月の消費税増税は法律で決まっている話、既定路線であるので、形式的には「予定どおり増税」と言わざるをえないが、実は決めかねているということになる。

 その主張、姿勢がなんとも中途半端なものとなるのも、当然といえば当然であろう。臆することなく増税凍結を選挙公約の、それこそ「一丁目一番地」に据えればよかったものを……。「一強」とはいうもののそんなに財務省、さらには党内の財政再建派、増税派に気兼ねしなければならないということなのだろうか。

 財政歳出の拡大についても、当初アベノミクスの「3本の矢」のうち2本目の矢は機動的な財政政策のはずであったが、その矢を放ったのは初年度だけで、アベノミクスはその後実行されていないに等しい。

 今や歳出拡大のためには増税が必要といった、まさにブレーキとアクセルを同時に踏むような主張まで出てきている始末。

 それで「憲法改正だ、何だ」と言ったところで、ネトウヨやビジネス右翼の類は盛り上がっても、一般有権者にしてみれば、しらけムードに拍車をかけるだけであろう。

野党も経済問題で煮え切らないのは
「お家の事情」が背景にある

 次に野党側。「野党」といっても主要勢力とされている立憲民主党や国民民主党であるが、与党がこんなに煮え切らない、中途半端な状態であれば、まさに「攻め時」のはずだ。消費税増税凍結や延期どころか税率引き下げを前面に出し、さらにデフレから脱却するための歳出拡大まで訴えればいいだろう。

 しかし、どういうわけか、消費税増税凍結すらも、選挙公約でうたってはいるものの、「一丁目一番地」ではなく、奥ゆかしく後ろに引き下がってしまっている。それよりも労働問題や年金問題、男女平等、性的マイノリティへの配慮等の多様性を前面に出すという状況だ。