「改革」という旗は絶対に振らない

 立場上、リーダーシップを取って推し進めることもあるでしょう。このとき気をつけたいのが、大胆な変化を促すときによく使われる「改革」という言葉です。

 リーダーの立場からすると、取り組みの重要性や意気込みを伝えるためにふさわしい言葉だと考えるかもしれません。しかし、聞き手である部下からすると、それまで積み重ねてきた仕事を否定されたような印象を受けてしまいます。これでは気持ちよく力を出し合う雰囲気にはなりませんし、言葉が大きすぎて具体的なイメージを描けず「どうすればいいの?」と戸惑ってしまいます。

 例えば「働き方改革」についても同じことが言えます。政府が打ち出したコンセプトに対して、具体的に何から始めればいいのか悩む経営者も少なくないようです。同じような経験を、スタッフにさせてしまっているのだと想像してみてください。

 私はピューロランドで新しいことを始めるとき、「期間限定」といった言葉を使ってさりげなく提案してきましたが、「改革」という旗を振ることは絶対にしませんでした。

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