清水建設が建造船に500億円!ゼネコンが洋上風力発電に走る理由清水建設の井上和幸社長(右) Photo by Tomomi Matsuno

風車「建設」だけじゃない
「発電事業者にもなり得る」

 「発電事業者にもなり得る」

 売上高1兆円を超えるスーパーゼネコン5社の一角、清水建設の井上和幸社長は約500億円を投じて洋上風力発電建設船を造ることを発表した7月24日、会見席上で洋上風力発電に懸ける思いを語った。建設船の建造計画は約3年前から温めていたものだった。

 洋上風力発電は、海上に吹く強い風を動力にブレードと呼ばれる巨大な羽を回して電気を作る再生可能エネルギーの一つ。清水が巨額を投じるのは自航式SEP船(Self Elevating Platform、自己昇降式作業船)と呼ばれる、海上で安定した姿勢を保ちながら建設作業をするための専用船で、これで風車を造る。

 SEP船は港で建設に使う重い資材を積み込んで、目的地まで海上輸送する。目的地に到着すると、4本の足を海中に伸ばして位置を固定し、船体を海上に持ち上げる。すると海上にもかかわらず、船自体が固定され、作業をするための“面”に様変わりする。