ゼネコン大手4社の2019年3月期決算が出そろった。東京五輪関連や首都圏での再開発の増加などで好調な状況が続き、大林組、清水建設は増収増益だ。この好調はさらに続くのか。五輪後の稼ぎどころは何なのか。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
「今回で他社の水準に追い付いた」。売上高規模で約2兆円を誇るゼネコン業界2位の鹿島の経営幹部は、決算説明会でほっとした笑顔を見せた。2019年3月期は08年3月期以来11年ぶりに単体の建築受注高が1兆円を超えた。技術力が強みの土木に比べて、デザインやサービス、コストが比較される建築の強化は課題だったが、案件が溢れたこのタイミングで巻き返した。
ゼネコン大手4社の19年3月期決算が出そろった。建設業界は20年開催の東京五輪・パラリンピック関連や首都圏での再開発の増加、堅調な公共投資などで大量に受注し、近年上り調子だ。業界の巨人たちも波に乗った稼ぎっぷりを見せる。
昨年の第2四半期から年末にかけて、五輪関係の案件縮小と労務・資材費の高騰から頭打ちを心配する声も聞こえていた。しかし、通期決算はふたを開けると、4社とも売上高増、大林組と清水建設は最終増益だった。