停滞著しい衣料品市場で成長している専門店が「無印良品」と「ワークマン」だ。無印の衣料品部門である「衣服・雑貨」、ワークマンの衣料品も高い成長を続ける。「しまむら」や「ユニクロ」に代わって衣料品市場で脚光を浴びている2社は一体、どうして消費者に受け入れられ成長しているのか。今後の衣料品市場で主役になれるか――。(流通ジャーナリスト 森山真二)
停滞している
国内のアパレル市場
矢野経済研究所の調べによると、2017年の国内アパレル小売市場規模は9兆2168億円、2年連続の減少に歯止めがかかった。「歯止め」といっても、前年比横ばいになったにすぎないが。
アパレル市場はここ数年、大きくも伸びず、かといって大きく減少もしない動向が続いている。
この要因には、人口動態の変化もあるが、もはや消費者の「タンス在庫を持ちすぎていること。中古品売買の2次流通市場が拡大し、新品を買わなくなっている」(ある衣料専門店幹部)ことなどが指摘されている。
しかし、根本的な理由が「衣料品に金をかけなくても、そこそこの商品が買えるようになっている」(同)ことだ。ファッションを追い求めるというよりも、生活用品の一部として衣料品が定着。衣料品に対する価値観が変化しているのだ。
衣料品の低価格化に拍車をかける革新をもたらしたのが、ファーストリテイリングの「ユニクロ」だったことは紛れもない事実である。