そこでおススメなのが、世界一のおなら食材とされている菊芋である。菊芋にはイヌリンという炭水化物が75%も含まれており、これは小腸では消化できない。そうするとそのまま大腸に送られることになり、腸内細菌にとっては最高のご褒美になる。菊芋を食べると腸内細菌が活発化し、二酸化炭素・水素・メタンなどのガスを大量発生させるというメカニズムだ。

子どもも楽しめて
おならマニアにはたまらない情報も満載

 本書では菊芋を使った「おなら倍増レシピ」や「おしっこのニオイ倍増サラダ」など、誰が好き好んで食べるか分からないレシピが豊富に紹介されている。他にも「おなら製造マシーン」の作り方や、世界で偉大な(?)放屁芸人のリストなど、おならマニアにはたまらない情報も満載である。

 著者はステファン・ゲイツというイギリスの人気テレビ司会者兼ジャーナリストだ。本書からは著者のおならへの情熱がヒシヒシと伝わってきて敬意を表したくなる。ぜひ手に取って眺めて欲しい。なんだかおならが愛らしく感じてきてしまうだろう。

 本書のすばらしさは、れっきとしたポピュラーサイエンス本であることだ。世のおならマニアはもちろんだが、小さい子を持つ親にこそ本書をおススメしたい。食物の消化メカニズムから音が出る仕組みまで、子どもが大好きな「おなら」を題材とし、分かりやすくサイエンスを楽しめる内容になっている。サイエンスの入門編としてはうってつけだ。訳者もあとがきで書いているが「よく書いてくれた!」。

(HONZ 久保洋介)