旧ソ連の「伝説のスパイ」が明かした、日本人が思わず重要情報を語ってしまうひと言写真はイメージです Photo:PIXTA

どうにかして相手の真意を知りたい……腹の探り合いが続く商談の場面で、そう思ったことはないだろうか。元公安の筆者は、あえて“知らないふり”をしたり、軽く“挑発”したり、“はったり”を交えて、機密情報を引き出していたという。ビジネスや日常でも使える、本音を引き出す会話術を解説する。※本稿は、元警視庁外事課の勝丸円覚『スパイに学ぶ「あざとい」会話術 ビジネスに役立つ諜報員の言葉の魔法』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

相手から情報を引き出すには
「知らないふり」が有効

「知らないふり」は、相手の説明欲や優越感を刺激して情報を引き出すための心理的トリックである。

 メリット(戦術的利点)としては、

1、相手の説明欲を刺激できる
人は「自分のほうが詳しい」と思うと、自然と語りたくなる。特に専門家やプライドの高い相手に有効である。

2、情報の真偽を見極めやすくなる
相手が「教える側」になることで、相手の話に矛盾や誇張がないか判断しやすくなる。

3、警戒心を下げられる
「この人は何も知らない」と思わせることで、相手が油断し機密情報などをうっかり話す可能性が高まる。

4、相手の価値観や優先順位が見える
何を強調して説明するかで、相手の関心領域や戦略的意図が浮き彫りになる。

5、関係性をコントロールしやすくなる
相手に「教える快感」を与えることで、優位に立たせつつ実質的には情報を握る側に回れる。

 といったことがある。

 しかし一方で、デメリット(リスクと副作用)もある。

1、見破られる​と信頼を失う
「知っていたくせに……」と感じさせると、馬鹿にされたと思われ信頼関係が崩壊する。