夫の貯金を使い果たし
ついに依存症がバレた

 洋治さんは優しく、誠実な人だった。

 専業主婦になり、生まれて初めてかもしれない心安らぐ日々は幸せで、清美さんはしばらくの間、買い物衝動から解放されることができた。

 しかし、長くは続かなかった。

 子どもができると洋治さんは、「この子のためにも頑張って働かないとね」と張り切り、仕事漬けになった。休日は疲れてごろごろしており、ぜんぜん構ってくれない。

 その上、結婚してすぐから、自分のカードを清美さんに預け、「よろしく頼むね、奥さん」と、家計の管理を任せてくれた。これがマズかった。

(なんで、私なんかに任せたのよ。危ないんだよ、全部使っちゃうよ)

 眠っていた買い物欲が目を覚ました。

 審査なしで作れるクレジットカードや洋治さんの家族カードを使ってキャッシングや買い物を続け、雪だるま式に増えた借金をカードローンで返済するが、すぐに行き詰まる。洋治さんの口座のお金は結婚前からの貯金も含め、生活費と借金返済のためにさっさと使い果たした。

(もうダメ、どうしよう。バレたら離婚されちゃう。それに、いくら優しい洋治さんだって、絶対怒るよね。やだ、怖いよ。…この人、いっそ死んでくれないかな)

 ふと深夜、仕事に疲れ、グーグーといびきをかいて寝ている洋治さんに対して殺意が芽生え、慌てて打ち消した。