全件調査の「問い合わせを待つ」姿勢は卑怯

 一方、契約者にとっては、不利益を受けたケースの回復が可能なのかどうかが問題になる。

 会見では、かんぽの3000万件の契約全てを調べる方針が示され、そのうち契約者の不利益が既に疑われている19万件については、8月中に書面が送付されて、問い合わせがあったケースについて、コールセンター等が対応するとのことだが、この調査方法には疑問がある。

 そもそも、契約者は保険料二重払いや無保険状態のリスク、予定利率の悪化など経済的な不利益について理解できなかったから、こうした状態に至った公算が大きい。日本郵便だから、手紙を送るのは得意かもしれないが、契約者の多くは当惑するだろう。

 個々の契約者ごとに全契約の履歴を調べると、保険料二重払い、新契約拒否による無保険状態、告知義務違反などでの新契約の契約解除、特約で対応可能なものを新契約に導いたケース、無保険期間が生じたケースなどは十分認識できるはずだが(だから19万件という数字があるのだろう)、これらのケースについて契約者が「問題を知りながら、敢えて望んだ」ということは想像しにくい。

 それこそ、積極的に辞退する契約者を除いて、問題のあるケースの契約者には全件経済的な損失を補填するべきだろう。もちろん、かんぽ生命以外の会社の保険についても、同様に対応する必要がある。

 契約者の問い合わせを待つのは卑怯だ。

 契約のデータは必ず存在するはずなので、第三者に調査してもらうのがいいのではないか。