カジノ産業と若者の関わりを探るシリーズ企画の第5弾は、消費者としての若者に注目する。近年、ネット番組やスマホアプリなどギャンブル関連のコンテンツが多方面で登場している。そんななか、最近日の目を浴びるようになったのが、日本ではなじみの薄い「テキサスホールデム・ポーカー」。このゲームに青春を注ぐ学生たちに、その魅力を聞いてみた。(清談社 松嶋千春)
開かれた手札と
隠された手札の駆け引き
このところ、「テキサスホールデム」というジャンルのポーカーを扱ったコンテンツが増加中だ。AbemaTVのレギュラー番組『GACKTプロデュース!POKER×POKER』や、2019年に全国のゲームセンターで稼働予定のネット対戦ポーカー『ポーカースタジアム』(バンダイナムコアミューズメント)も、このゲームを採用している。
日本では手元の5枚の手札で役を作る「ドローポーカー」がおなじみだが、「テキサスホールデム・ポーカー」は、手元の2枚と場に開かれた5枚の手札を組み合わせて役を作るポーカー。海外のカジノや国際大会における主流はこちらであり、ドローポーカーよりも駆け引き要素が強くなっている。東京工業大学のポーカーサークル「TitechPoker」のメンバーは、テキサスホールデム・ポーカーの魅力を次のように語る。
「自分の手札の強さをアピールして相手を勝負から降ろしたり、逆に引き際を見極めて先に勝負から降りたり、そういった心理戦の駆け引きがこのゲームの難しさでもあり、醍醐味ですね。始めた当初は『ルールが難しくてつまらない』と思ってポーカーから離れた時期もありましたが、今では『難しいけど面白い』に変わりました」(東京工業大学 鈴木さん)
例年100人ほどの学生が参加するポーカートーナメント「学生ポーカー選手権」は、サークルを挙げて力を入れる大会のひとつだ。2019年開催の第7回大会に参加したメンバーは、技術と運の要素が絡むゲームならではのエピソードを話す。
「長い年数プレーしている面々がいるなか、ポーカー歴1年のサークルのメンバーが上位入賞したんですよ。もちろん、まじめに取り組んだ結果でもあるんですが、技術100パーセントのゲームと違って、レベルの高い相手にだって運が良ければ勝てることもあるということ。どんな相手であれ『自分でもいけるかも』という可能性を感じられることは、モチベーションにつながっていますね」(同 松井さん)