自分だけの「強み」の見つけ方

 では、オンリーワンになれるような自分の強みはどうやって見つけたらいいのでしょうか。
 まず、「強み」とは何か。
 他の人にはない特徴? 誰よりも長けているスキル? どれも間違っていないでしょうし、さまざまな言い方ができると思います。しかし僕は、もし「強みって何?」と聞かれたらこう答えます。
 お金をもらわなくてもやりたいこと。
 
これでも、好きで好きでどうしてもやってしまうことは、他の人よりも時間やお金を費やすことを厭わないし、行動も続けることができます。これがお金ありきの場合、すぐに辞めてしまったり、続かないことも多いです。だから、自分の「好き」という最強の原動力さえあれば、自然とその分野の知識やスキルが伸びていき、誰にもない強みとなっていく。僕はそう考えています。

「幼少期に何が好きだったのか」を探ってみる

  強みを見つけるための方法は、いろんな方法があると思います。好きでどうしてもやってしまうようなことは何か。それを知るために良いのは、自分の幼少期を振り返ることです。あなたは、どんなことで遊んで、何をすることが好きな子どもだったか。
 小さい頃は、誰しもやりたいことだけをやっているので、もっとも純粋に好きなことや強みに気づくことができるのではないか、と僕は思います。

 例えば、片付けコンサルタントのこんまりこと、近藤麻理恵さんや、タレントのさかなクンも、他の人にない強みを仕事にしている人たちです。こんまりさんは、「片付け」という日常的な作業をビジネスとして成立させました。彼女は、幼稚園の頃から『ESSE』など主婦向けの雑誌を読んでいたそうです。

 幼い頃から片付けをすることが好きで、大学2年生からは片付けのコンサルタント事業を開始。2010年に発売された著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版刊、改訂版は河出書房新社)は、日本で100万部を超え、テレビドラマ化もされました。
 そして、世界30カ国以上で出版され、850万部以上の売上を記録するという、驚異的な数を叩き出しています。片付けが、世界で潜在的に需要のあるコンテンツだったということです。

 タレントであり、魚類学者でもあるさかなクンも、幼少期から魚に興味を示して、誰よりも魚に関する知識を持っていた子どもだったそうです。
 高校時代にテレビ出演をして有名にはなったものの、専門学校へ進学。始めから望んだ職業を見つけられたわけでありませんでした。寿司屋さんなどの壁に魚の絵を書く仕事など、魚関係のアルバイトを転々としていたと言います。その後、テレビのドキュメンタリー番組への出演をきっかけに人気タレントとなっていき、魚に詳しいさかなクンとして世間に定着していきます。そして、ついには東京海洋大学の客員助教授に就任したのです。

 こんまりさんも、さかなクンも幼少期の「好き」を仕事にして、まったく新しい仕事を生み出しています。

 僕の場合、それがたまたまボードゲームだったわけです。何がやりたいのかわからない。自分の好きなことに迷いが生じてきている。もしそんなふうに思い悩んでいるのなら、過去の自分を思い返すと良いかもしれません。