ポルシェ911カレラ4Sクーペ(992型)ポルシェ911カレラ4Sクーペ(992型) カレラ4Sは450psを発揮する3リットル水平対向6気筒ツインターボを(R)オーバーハング部に搭載 ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは旧型比で5秒速い7分25秒! 価格:8SMT 1772万円 Photo by Akihiko Kokubo

最新992型でも、
圧倒的な実力を体感

 誕生以来55年間、つねにトップスポーツカーの座に君臨し、その実力を世界に見せつける――ポルシェ911の魅力は、世界屈指の長い歴史に支えられながらも、伝統に甘んじず、最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、スポーツカーシーンの先頭を走り続けてきた点にある。

 どんなアングルからでも911に見える“猫の背中”型ボディ、その後端にマウントされた水平対向6気筒エンジン。あまりにも有名な歴史あるモデルゆえ、アイコンとなるハードウエアに手を加えることが困難という事情を抱える。これを“911のウイークポイント”ととらえる見方も確かにある。

 それでも911は、いつの時代も世界のトップスポーツカーと呼ぶにふさわしいパフォーマンスを披露し続けてきた。この事実は誰も否定できない。日本デリバリーが秒読み段階になった最新992型でも、圧倒的な実力を体感した。

 フロントフードに新たに加えられたプレスラインや、センターコンソールと分断されて水平基調が目立つダッシュボードは、過去のクラシックモデルとの関連性を強調した992型の個性。8速DCTの新採用や、将来のハイブリッド化を視野に入れたモーター用スペースを確保するなど、フルモデルチェンジではないと実現困難な部分に対処している。